ボトムアップの組織

2011年3月11日午後2時46分 宮城県沖から福島県沖までの長さ約500㎞幅120㎞を震源とするマグニチュード9.0の大地震が発生した それは我が国観測史上初めての事で 青森県から千葉県までの太平洋岸に過去のあらゆる想定を超えた大津波による災害をもたらした 震源も近い事もあり死者行方不明者も過去最大となり 沿岸の幾つかの町や集落も壊滅するほどのものであった 更に福島県にあった原子力発電所は冷却装置が機能しなくなり放射能漏れの事故となり 地震津波の影響で修復も進まず地震津波と合わせた大惨事となった

国も国会の会期中で合ったが休会をし 自治体も総力を挙げての災害対策に臨んだ 阪神淡路地震の教訓も合ったがやはりいろいろ問題を残した この様な危機管理には被災地が広範で有った事や地震・津波・原発事故と重なった事など 今までと比較できない出来事ではあったが 基本的な違いが有ると以前から感じていた事がある 今回自衛隊の10万人体制や原発事故に対する待避指示 情報開示 海外からの援助に対する応対等々は過去に例の無い迅速な処理が行われたと認識しており評価をしている

問題になったのはそれぞれの被災地が広範囲で有るにも関わらず 一元的に処理されていた事である 今回は役場を含めて町なり村なりが壊滅し機能しなかった事にあるが それで済む事では無いと感じていた 広域で有ろうが峡域で有ろうが緊急の場合に必要な事はその現場に合った処理である それはその現場をよく知る人間の判断と対応である それがトップダウンでは時間が無駄になる事が多い 「事件は現場で起きている 会議室では無い」と言う有名な一説を思い出すのである 現場に多くの情報を集め現場に判断と処理を任せ そのサポートをする組織と云う考え方がこの様な突発的な事態には必要で有ると考えるのである 列を組んで避難する訓練も大切かも知れないが この様なボトムアップで事に当たる訓練も日頃心掛けるべきであると考えている 非常事態が収まっていく過程でトップダウンの組織が平行していけば良い事である 

結局現実には 被災現場の人々の大変な尽力に依ってこのボトムアップ的処理に頼る事になるのだが 大概が現場からのお願いと云う事で行われ必要以上の耐乏を余儀しなければならない しかし少なくてもこれらは現代の社会では権利であるべきと考える 中央はそれにどの様に対処すべきを日頃の考察と訓練に取り入れる必要が有ろうと考える 起きた事は全てが結果論でしかなくなにが正しいか等は必要が無いので有る その事は今までも検証された事であるが トップダウンの云い訳にしかならない事が残念でしかない 是非ボトムアップの組織を研究し体系化し実践する事を希望するのである

「ボトムアップの組織」と云う言葉有るかは知らない「トップダウン」に対して使った 決定権を現場の判断に任せ トップはそれをサポートする組織と云う意味でである 

(2011年3月20日)